こんにちは!manabです。
この記事では、洋服の生地(織物)に関しての詳しい情報を更新していきます!
今回の記事では、【SDGs】【サスティナブル】についてご紹介していきたいと思います。
✔洋服の生地についてもっと学びたい方
✔服飾学科でテキスタイルを専攻している方
✔または学科で悩んでいる方
✔生地について詳しく学びたい方
✔アパレル業界で働いている方
前回の記事では、サスティナブル素材としてのご紹介で
・ノンミュールジングウール
・オーガニックコットン
の生地をご紹介させて頂きました。
今回の記事では、↑の2つ以外でサスティナブルとして注目されている生地をご紹介したいと思います。
前回の記事はコチラ
今回ご紹介するのは、リサイクル生地についてです。
リサイクル生地とは?
SDGsの理念がファッション業界にも浸透していき、リサイクル生地というものが再評価されるようになりました。
これまでは安いからという理由での需要がほとんどだったのですが、近年では”持続可能”という部分で評価を受けています。
一口にリサイクルといっても色々とありますが、今回ご紹介するのは紡毛のWOOL生地についてです。
これはリサイクルされた原料を使用した糸を元に作られています。
どのようにリサイクルされているかというと、
既に洋服になったもの(例えばセーターとか)を、全て綿(ワタ)に戻して再度糸にしているものです。
ですがここで疑問が生まれます。
再生原料の場合、色や混用率はどうなるのか???
詳しくは下でご紹介していきます。
色について
色については基本的にTOP糸での生産が多いです。
TOP糸というのは、綿(ワタ)の状態で色を付けた糸のことです。
霜降り肉のような色の見え方から、霜降りカラー等と呼ばれることもあります。
色の作り方は、例えばグレーのTOP糸ですとミディアムグレー、黒、白の3色もしくは、チャコールを加えた4色をバランス良く配合して1色の糸を作ります。
たまにECサイトでTOPグレーのことを杢(もく)グレーと表記しているのを見かけます。
ですが杢というのは色違いの糸同士を撚糸した糸のことなので、杢グレーという表記は間違いです。
注意しましょう!!
杢の糸は↓こんな糸です
茶色系のリサイクルTOP糸を作る場合は、
ダークブラウン、ブラウン、ライトブラウン、ベージュの製品ばかりを集めてワタに戻します。
後は色のバランスを見ながら配合して、1色の再生TOP糸を作ります。
白ばかりを集めて生地糸(染められる白の糸)を作ることももちろんありますよ!
リサイクルウールのTOPカラー 一例↓
混用率について
基本的には、この再生紡毛を作る時WOOL系の製品を集めて綿(ワタ)に戻します。
但しWOOL100%の服ばかりがリサイクル用に出回っているわけではないため、その他の原料が混ざってしまいます。
その為、この再生紡毛には“その他”という混用率が含まれます。
『その他』の中に何が含まれているか?というのは、生地試験場で調べることが出来ます。
多くはポリエステルやナイロンが含まれています。
これは何故かというと、
“WOOLxポリエステル”や“WOOLxナイロン”の製品を戻して糸にすることが多いためです。
ただこの『その他』を調べることはめったにありません。
ロットによって異なるため管理が大変な上、高額な費用が発生してしまうためです。
そのため、『その他』という曖昧な混率を使用しているのです。
糸として出来上がる混率は、
W70%、その他30%やW60%、その他40%といったものが多いです。
業界用語でいうと、
・W70%、その他30%=毛七(けしち)
・W60%、その他40%=毛六(けろく)
このように呼びます。
毛七のことは毛70
毛六のことは毛60
という表記をすることもあります。
一番ポピュラーで世に出回っているものは、毛七が多いです!
最後に
いかがでしたか?
廃棄される衣料品が減るのはもちろんのこと、このようにリサイクルされた素材がポピュラーになるのは非常に良い傾向だと思います。
是非今シーズン1着は試してみましょうー!
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