【撚糸】糸が生地になるまで【染色】テキスタイル

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manab
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こんにちは!manabです。
この記事では、洋服の生地(織物)に関しての詳しい情報を更新していきます!

今回は糸準備ということで、染色撚糸についてを深掘りしていこうと思いますので是非ご覧ください



こんな方におススメ

✔洋服の生地についてもっと学びたい方
✔服飾学科でテキスタイルを専攻している方
✔または学科で悩んでいる方
✔染色、撚糸について学んでいる方
✔とにかく洋服が好きで生地(糸)のことも学びたい方



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染色について


今回は染色(糸染め)について紹介します。


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この記事で少し触れましたが、染色には先染め(糸染め)後染め(反染め)の2種類があります。

今回は糸染めの染色についてをご紹介します。

糸染色について


染色とは文字通り糸を染める工程です。

染色方法は綛(かせ)染めチーズ染めの2種類の染色方法があります。



綛(かせ)染めとは


綛(かせ)というのは束になった糸のことです。

アルファベットのXやHのような形をした道具を使用して、綛(かせ)の状態にします。

この綛(かせ)を穴の開いた管状の機械に掛け、穴から染液を噴出して染色する方法となります。


✔チェックポイント

綛染めはムラが少なく良い風合いで染め上がります。

これは糸を巻き付けずに染色することで、糸のふくらみなど本来の風合いを保ったまま染色出来るためです。

太番手のWOOLやアクリル、ループ糸を染色する際に良く使われる染色方法です。

但しコストが高いため、WOOL等の原料でもチーズ染色が可能な糸は安価なチーズ染めで染色することが多いです。

綛染めの場合は糸が束のまま染め上がってくるため、この後にワインダーと呼ばれる機械で染色した糸を巻き付ける工程が必要になります。




チーズ染めとは


染色用の穴開きボビン(産地によってはPPと呼ぶ)に原糸を巻きなおします。
このボビンに巻き付けた状態のことチーズと呼びます。

内側と外側から交互に染液をポンプで循環させ、均一に染料が染着されるように染色する手法です。


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チーズ染めという染色方法は綛染めより能率が良く安価ですが、巻いている糸の外側と内側での染色差が出やすいため注意が必要になります。

そして綛染めと違い糸が巻き付けられているため、糸の形状やふくらみなどを損なう恐れがあります。





撚糸について


そもそも撚糸(ねんし)とは?


撚糸というのは出来上がった糸を加工する場合と、紡績時に原料となる綿(繊維)がバラバラにならないようねじりをかけてひとつの束にする場合とで分かれます。

ねじりをかけることで毛羽立ちにくく糸としての強度が出てきます。

この状態にして初めて、織ったり編んだりすることの出来る”糸”になります。

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これは綿(ワタ)から糸の状態にする紡績という工程です。

厳密には撚糸ではありませんが、糸を加工する撚糸も同じように

糸をねじったり、2本の糸を1本に撚り合わせたり

という作業をします。



撚糸にはねじる方向があります

左方向の撚糸(撚り)をZ撚り 右方向の撚糸(撚り)をS撚りといいます。

綿から糸になったものを単糸(たんし)と呼ぶのですが、基本的には単糸(たんし)はZ方向です。

もちろんS方向の単糸は作れますし実際に存在していますが、基本的に紡績糸の単糸はZ方向のものが主流です。






撚糸の種類


撚糸には用途に合わせた撚糸工程があります。

代表的なものをご紹介します。


撚糸の種類:追撚(ついねん)


出来上がった糸に更に撚糸(撚り)を加える撚糸方法です。

追撚した糸のことを強撚糸とも呼びます。

追撚することで糸に硬さが加えられるため、清涼感を出したりドライなタッチにするために行うことが多いです。


撚糸の種類:共撚り(ともより)


同じ種類の糸同士を撚り合わせる撚糸方法をこう呼びます。

作りたい織物の肉感(厚さ)に合わせて、糸を太くする場合に用いられます。

友寄りと記載する人もいます


共撚りの撚糸本数:双糸(そうし)


→1本の糸(単糸/たんし)を撚糸して2本になっている状態



共撚りの撚糸本数:三本撚り(さんぼんより)


→1本の糸(単糸/たんし)を撚糸して3本になっている状態

三子(みこ)と呼ぶ人もいます




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基本的には作りたい生地に合わせた糸の太さを出すために何本かの糸を撚糸していきます。

それ以外にも共撚りをするケースはあります。下記は要チェックです!


双糸を使用するケース紹介:綺麗な表面の生地を作りたい場合


分かりやすいものですと男性のスーツ生地の場合です。

スーツ地というとWOOL100%のものが主流ですが、天然繊維の割には表面がつるっとしていて綺麗ですよね?

これには理由があるのです。


基本的にスーツに使われるWOOLは、梳毛(そもう)という繊維が長く細いものが使われます。


糸の太さだけでいうと1/30や1/24ぐらいの太さのものが主流なのですが、実際に使う糸は同じ太さでも2/60や2/48といった双糸を使用するのです。

これはなぜかというと、単糸は糸の節(ふし)が目立つためです。

フィラメントと違いスパン糸には糸の節(ふし)があります。


糸番手について詳しくはコチラ

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節(ふし)とは?


スパン糸は、紡績工場で細かな繊維を何本か並べて束ねほぐしながら糸にしていきます。

その工程でコーミングという髪を櫛で梳かすような作業をするのですが、その際に梳かしきれないダマがどうしても残ってしまいます。

このダマが糸節(いとふし)やネップと呼ばれるものです。




単糸のままだとこれが目立つため、表面を綺麗にしたいスーツには向きません。

撚糸して双糸にすることで、糸同士が押さえつけられ節が目立たなくなります。

また単糸のままですと製織時に糸が切れてしまうので、双糸にして製織するほうが生産時もスムーズです。

あえてナチュラルな表情を出したい場合は単糸使いをすることもありますが、スーツ地の場合は稀かもしれません。



近年では合成繊維(ポリエステルなど)のスーツ地も多く存在していますが、やはり梳毛のスーツの方が上品な光沢感があり仕立て映えもすると思います。

気に入った生地を選んで、自分にピッタリのスーツをオーダーしてみるのも良いですね!

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最後に


いかがでしたか?

今回は染色、撚糸などの糸の準備工程について紹介していきました。

分からないことがあればお気軽にコメントしてくださいね。


それではまた!



コメント

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