こんにちは!manabです。
この記事では、洋服の生地(織物)に関しての詳しい情報を更新していきます!
今回は実際に織る工程までをご紹介していこうと思います。
✔洋服の生地についてもっと学びたい方
✔服飾学科でテキスタイルを専攻している方
✔または学科で悩んでいる方
✔洋服のオーダーメイドを依頼する際の生地選びで参考にしたい方
✔とにかく洋服が好きで生地のことも学びたい方
製織前の準備
織物はニットと違い、縦と横の糸が分かれています。
まずは縦糸の準備から進めていきます。
豆知識!!
繊維業界人は縦横のことを別の漢字で表記します。
・縦糸=経糸(たていと)
・横糸=緯糸(よこいと)
玄人感出るので是非覚えておきましょう。笑
ワインダー
縦糸の準備は糸をワインダーと呼ばれる糸巻き機にかけ、
必要数量ごとに紙管に巻き付けて分けます。
この必要数量というのは、作りたい生地の規格(長さや幅)に合わせて変わるため毎回同じではありません。
整経
ワインダーを終えたら、今度はワインダーで分けた糸を
ビームと呼ばれる大きなドラム状の管に巻き付ける作業へと進みます。
これを整経と呼びます。
まずはクリールと呼ばれる枠に糸をセットして、引っ張り出して並べます。
このクリールに糸を並べる順番で織物の柄が決められます。
整経という工程はとても重要で、間違えてはいけない作業となります!!
例えば10反分の製織をしようとするとき、
整経は10反分の縦糸をまとめて行います。
この時に間違えてしまうと、せっかく用意した糸が10反分すべてダメになってしまいます。
厳密には繋ぎなおすことが出来ますが、何千~万の糸本数を繋ぎなおすためとても大変な作業です。
なのでこの作業を行う場合は慎重に行います。
製織前の準備(綜絖通し)
整経を終えると、
・綜絖通し(そうこうとおし)
もしくは
・綜絖刺し(そうこうさし)
という作業へ移ります。
整経された糸というのは横糸を通すことで織物になります。
横糸を通すためには縦糸を分けてその中に横糸を差し込んでいかなければなりません。
経糸を分けるための道具を綜絖と呼びます。
綜絖というのは薄くて細い金属の棒に穴が空いたもので、
この穴の中に糸を一本一本通していく作業を
綜絖通しと呼びます。
※機械化が難しい作業のため、これは基本的に手作業で行われます
この綜絖刺しを終えると、後にセットで行われる筬(おさ)通しという作業があります。
筬通し
筬(おさ)とは金属の薄い板羽を等間隔に並べられた器具です。
板羽と板羽の間に糸を通していくことで織物の密度を決めることができ、織物の硬さや柔らかさに影響するものです。
筬は密度を決めるとともに、織機で横糸を押し込むときにも使用される器具です。
製織へ
ここまででやっと織機に仕掛けられる準備が整いました。
横糸を機械にセットし製織スタートです。
ションヘルと呼ばれるシャトル織機の場合は、
横糸を通すための機械(シャトル)に糸を巻き付ける必要があります。
糸が切れてそのまま織っていってしまわないよう、織機には糸が切れたときに止まるようセンサーが付いています。
そのため織機が止まったら切れた糸を確認して繋ぐ(結ぶ)という作業が必要となります。
製織担当者は工場を離れるわけにはいかないのです。
糸の種類によっては丈夫で切れにくく、ある程度放っておいても大丈夫なものも存在します。
そういった生地を扱う工場の場合は、複数台を1人で見ることが多いです。
織り上げた後は・・・
生地製織を終えたら、今度は織り上げた生地の補修作業に入ります。
この織り上げたばかりの生地のことを生機(きばた)と呼びます。
補修作業というのは、
織り上げた生機に問題が無いかを確認して問題のある個所を直していく作業です。
主に生地不良の問題としては、
・切れた個所を結び合わせた結び目
・製織中に出てしまった生地の傷(正しい位置に糸が入っていない等)
・製織中に切れた糸の縫い合わせ
このような内容です。
*生地の種類によっては予期しない問題が起こることもあります
生機を綺麗に補修せず生地加工をしたことで、加工後の生地では直せなくなってしまったというケースもあります。
綺麗に直すことももちろんですが、生機に不良がないかを検査するがとても重要な作業となってきます。
この補修、検反作業を行う工場のことを、補修工場もしくは修整工場と呼びます。
最後に
いかがでしたでしょうか?
ここまでの作業を終えて、ようやく生地加工に入れるのです。
生地になるまでには本当に様々な手間が発生し、様々な人の手によって作り上げられています。
生地の知識に詳しくなって、より良い洋服選びが出来るようになると良いですよね。
それではまた!
コメント
[…] […]