こんにちは!manabです。
この記事では、洋服の生地(織物)に関しての詳しい情報を更新していきます!
今回は生地を作る際の設計面をご紹介していきたいと思います。
生地を作る際にも設計作業はあるんです!
✔洋服の生地についてもっと学びたい方
✔服飾学科でテキスタイルを専攻している方
✔または学科で悩んでいる方
✔洋服のオーダーメイドを依頼する際の生地選びで参考にしたい方
✔とにかく洋服が好きで生地のことも学びたい方
まずは何から?
今回の記事では、服地生地を作る"設計"についてをご紹介していきます。
設計の説明に入る前に、生地を作る際はまずどういったことからスタートするのかをご説明します。
参考記事
新しく生地を作る際は、
・既存の生地(既に世に出ている生地)を作り直す
・既存の生地を改良していく
この2つが主流となります。
全く何も無い0のところからアイデアだけで生地にしていくというのは稀です。
既存生地を作り直すというのは具体的にどういうことかと言うと・・・
「このブランドのコートに使用している生地が気に入った!」
「でもどこの会社がこの生地を作っているのか分からない・・・」
こういった場合に、
「じゃあ同じ生地を作ってみよう!」となるのです。
服を作る際の生地選びにはこういったことがつきものです。
高級ブランドの服はやはり値段が高いだけあって生地も上質なものを使用しています。
それに感化された服飾デザイナーが、生地デザイナーに希望の生地を依頼をするのです。
それと全く同じものにしてしまうと、洋服のデザインと同じように盗作となってしまいます。
どんなことが可能なの?
オリジナル生地を作るとき、ターゲットにしたいベース生地に対してどのようなことが出来るのかというと
・色柄を変える
・生地の見た目はそのままで、分厚すぎるのを薄くしたい
・ベースとなるチェック生地のライン部分を、特殊な糸を入れたチェックにしたい
・ベースとなるコート生地の厚さは良いけど、もっと毛足が長くて柔らかい生地にしたい
基本的にはこのような希望内容に沿った作り方はほとんど可能です。
様々な依頼に対して、どのように理想の生地へ近付けていくかという作業をします。
但し糸番手や色の数など制限があって出来ないこともあります!
それでは早速、どのようにして作るのかという部分をご紹介しようと思います。
生地の分析
まずは作りたい生地の分解をする必要があります。
実際に作りたい生地が手元にある場合は良いのですが、無い場合は作りたい生地の洋服自体を買わなければいけません。
もしくは洋服についているタグやポケット付いている、小袋に入った小さい生地を元に分解します。
生地分析(分解)の流れとしては、以下の通りです。
・組織分解
生地の組織を分析する
・糸使いの分析
糸番手、糸組成を選定する
・密度の測定
吋(インチ)間の糸本数を数える
以上の3つを行います。
下で詳しくご説明します。
組織分解
まずは生地がどのように織られているのか?ということを確認しなければいけません。
織物というのは縦糸と横糸が組み合わさって生地になっています。
縦糸に対して横糸がどのような入り方をしているのか?というのを一列ずつ調べていきます。
ルーペのような拡大鏡を用いて糸の一本一本がどうやって入っているのかを地道に調べます。
代表的な組織でいうと、綾織りと平織りがあります。
綾織り
黒いマスが縦糸、白いマスが横糸を表しています。
上の組織図でいくと、縦糸が横糸の上を二本通って、その後横糸の下を二本通るという動き方です。
織り目が斜めになっていることが一番の特徴です。
縦糸と横糸合わせて3本以上の糸で構成されていて、織り方によって左に上がった綾と右に上がった綾に分かれます。
平織り
これは縦糸と横糸が一本ずつ交差して通っている状態です。
縦糸が横糸の上を通ったあと横糸の下を通り、その後はまた縦糸が横糸の上を通り・・・という繰り返しです。
基本組織の中で一番シンプルな構造です。
そのうちの2つが綾織りと平織りです。
紹介した2つはシンプルな組織でしたが、
かなり複雑な組織の生地も多く存在します。
生地を設計する際はまず組織分析が必須となります。
糸使いの分析
次は糸の番手を選定します。
生地に使用されている糸を1種類ずつ抜いていって、糸の番手と組成(混率)を選定します。
糸番手の測り方
糸の番手を測るときの計算式は、
糸の長さ÷重さ です。
生地分析をする際は、同じ種類の糸を何本か抜いていって計算します。
また抜いた糸の長さを均等にして計算します。
これは番手の選定をより正確にするためです。
例:
10cm×5(本)÷重さ(5本トータル) といった測り方です。
正確な番手を確認するためにも、重さを量る時はコンマ単位で量れるものを使用しましょう。
糸の組成確認
これは糸の種類ごとに、燃やした時の臭いや燃え方で判別をします。
ある程度実践して慣れてこないと判断が難しい部分です。
燃え方や臭いの特徴一覧
ウール100%やコットン100%など他のものが含まれていないものは判別しやすいのですが、
混紡糸だと燃え方や臭いの判別が難しいです。
例えば、
ウール45%、コットン45%、ナイロン10%のような糸だと
燃え方や臭いの判別がとても難しいのです。
この糸組成を確認するときは、撚糸されている糸かどうかも注意が必要です。
例えば双糸を使用していた場合は、
「1本ずつがそれぞれどのような組成の糸で、どのような番手で作られているのか?」
というのを調べなければいけません。
糸についての詳しい記事はこちら
密度の測定
生地分析をするときは、吋(インチ)という範囲を使用します。
1インチというのは2.54cmのことです。
縦糸も横糸も、それぞれ1インチの中に何本糸が入っているのか?ということを調べます。
このことを密度と呼びます。
拡大鏡を用いて目で測定するので、糸が細ければ細いほど難しい作業になります。
・生地の組織
・糸番手(糸組成)
・密度
この3つを測定することで生地設計のベースは全て揃いました。
あとはどのような色柄にするのかを決めて配列を組んだり、どの幅にしたいのかという織機選定などに進みます。
まとめ
いかがでしたか?
今日は生地設計で一番重要な分析作業をご紹介しました。
わからないことがあればぜひコメントしてくださいね!
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